群馬県館林市。
羽を広げた鶴の形とも称される群馬県の南端付近、即ち細長い頭の部分に位置し、 栃木県と埼玉県とに挟まれた人口約8万人の、全国に数多ある地方の小都市。 県を跨ぎながらも僕の地元でもある栃木県足利市の隣り街として馴染みがある ばかりでなく、僕が追いかけてきたカフェパンブロガーのCindyが密かに残した もう一つの物語、Arnold日記の語り手のWilliamと名乗る人物の住所としても 僕にとって他の近隣の街とは一線を画する非常に印象深い街でもあった。 昨年末に訪れた華麗な花の模様に彩られたマイセンのカップやソーサーに 囲まれた喫茶店、“えんや”の紹介は記憶にも新しいところではあるが、 あのリストの店という事を差し引いても、この隣りの県の隣りの街は、 再び訪れてみたくなる非常に魅力に溢れた街なのだ・・・だって・・・ ロウバイ(蝋梅) 館林市役所の向かい側に広がる一面の芝生は、嘗ての工場か何かの跡地であったが、 現在では気持ちの良い空間として市民のみならず訪れる方の憩いの場所となっていた。 広場と道路とを隔てるようにロウバイの木が植えてあり早くも黄色い花を咲かせていた。 近付くと辺り一面に広がってゆくロウバイの芳しい香り。思わずうっとりした気分になる。 更に、この蝋細工を溶かしたようなうっすら艶めく淡いレモンイエローの花弁といったら・・・ 可憐な花弁と芳香に、暫くの間僕はその場に立ち尽くし魅せられていた事を付け加えておこう。 さて、この広場と女子高に挟まれた道路を進むと、宇宙飛行士の向井千秋さんの業績を称える 記念子ども科学館と館林出身の文豪、田山花袋の記念文学館が建っている三叉路にぶつかる。 その角を折れ、市の中心に大きく横たわる細長い城沼に沿って更に数分のドライブを続けていく。 そして、長芋にも似た城沼の、端から半分を過ぎただろうかという頃に、目的地が見えてくる。 沼の畔に沿って遊歩道が走り、僕が訪れた時は朝の散歩やジョギングをする人が行き交っていた。 沼岸の枯れた芝生や葉を落とし切った木々を見ていると何処と無く冬の寂しさすら感じてしまうが、 並木道に植えられているのは桜の木、2ヶ月後には黄緑の芝生と淡いピンクで覆われる事だろう。 桜の木に近付いてみると黒々とした幹から伸びた細い枝の先には沢山の蕾が付いており、 その小さな蕾たちは、みんな綻び出すのを今か今かと待ち詫びているようにも見えるのだった。 この日は冬晴れの非常に良い天気で、まるで吸い込まれそうな澄み切った空が印象的だった。 薄い雲を従えたその綺麗な空の青に全く引けを取らない澄んだ青が、目の前にも広がっていた。 群馬県内で湖や沼と言えば、如何しても山間のダム湖やカルデラによる湖沼を連想してしまうが、 平野部の、しかも市の中心付近に於いてこんなに立派な水辺の風景に接する事が出来るなんて・・・ 1月の冷たい風に揺られてゆったりと漂う水面のさざ波は、遅い朝日に反射して まるで照明に当てられた宝石のように白銀の眩い光をキラキラと輝かせていた。 更にその情景は日が昇るにつれて刻一刻と変化し、絶えず新鮮な輝きを見せていた。 向こう岸の黒々とした木々を境界線として、白から青への淡く微妙なグラデーションが 上下に広がってゆき、日差しの変化と共にその色合いも滲むように変わっていった。 まさに、モネの描く印象絵画を直に見ているような錯覚さえ覚えたのだが、 僕が今から訪れる場所こそ、この風景をコーヒーと共に楽しめる場所なのだ。 Bakery & Cafe Niwa 湖畔にそって並んだ建物の中でもひと際目に付く一軒の白い家の前で僕は足を止めた。 城沼の畔の遊歩道を隔てて一段高くなった場所に、あたかも湖畔に迫り出したような 大きなウッドデッキを備えたグレーの切妻屋根と真っ白なサイディングの一軒家。 まるで富士五湖や中禅寺湖にでも訪れたような、とても印象的な湖畔のロッジが 直ぐ近くにあるなんて・・・それにしてもホワイトとブラウンのコントラストが美しい・・・ 見渡す限り真冬の風景だったけれど・・・まだまだ枯れる訳にはいかないんだ! なぁ、そうだろう?・・・キミたちも・・・そして、僕自身も・・・ ローズマリー 「ロ」のイニシャルの花として紹介してから彼是半年が過ぎ、新しい年も迎えた。 あの時はCindyに近付きたいという思い、唯それだけで闇雲に突っ走っていたっけ。 勿論、今こうして花を紹介し続けているのも、それ以外の何物でも無いのは事実だ。 だけど、この半年の間にElvis Cafeを通じて様々な事を経験してきたよなぁ・・・ 心地良い冬晴れの下、時折り吹く肌寒い水辺の風に揺られる2番目のイニシャルとの 久しぶりの再会を、そしてあの時は見る事が出来なかった薄紫色の小さな花弁を のんびりと愉しみながら、忘れる事の無いこの半年間を改めて思い出していた。 湖畔に向けて大きくとられたウッドデッキの入口では、2台の自転車が寛いでいた。 自転車が趣味の店主の店ならではの光景だが、湖畔に沿って目の前に伸びる この遊歩道で思いっ切りペダルを漕いだらどんなに爽快な気分だろうか。 そう言えば、Cindyも自身の日記でそのような試みをしていたっけ・・・ 外からも窺う事の出来る入口右手の焙煎室と、その手前の棚に並んだ珈琲豆の入った瓶。 とりわけ大きな看板は無くても、此方がコーヒーの専門店である事を十分に物語っていた。 ホワイトウッドに囲まれた明るくて清潔な印象のカフェテラスは勿論、湖面に向かって 一面ガラス張りとなっていて、それに沿って細長いテーブルが括りつけられていた。 どの席に着いても目の前の城沼の風景を一望する事が出来る贅沢な間取りだ。 更に外から差し込んでくる陽光が店内を明るく、そして暖かく迎えてくれていた。 コーヒー専門店らしく数あるコーヒー豆と煎り方挽き方による味や香りの違いは、 一見迷ってしまいそうだったが、丁寧に書かれた分りやすいメニューは勿論の事、 親切な店主から直接好みを相談する事が出来、好みの一杯を選ぶ事ができるのだ。 ブラジル(シティロースト) 艶やかで微かに赤味を帯びた深い琥珀色の表面から細かい粒子のような湯気が立ち上っていた。 世界一のコーヒーの産地ブラジルでも優良の豆が栽培される事で名高いセラード地区。 標高1000メートルを超えるという同地区のシーマ農園で昨年摘まれた新鮮なコーヒー豆を 深くなり過ぎない程度に焙煎し、店主自らドリップした一杯の拘りは、何と言ってもフレッシュ感。 さっぱりとした飲み口から広がってくるロースト感は確かにすっきりとして非常に飲み易い! 焙煎の具合だけでないマイルドな苦みながら酸味も控え目で、まろやかな甘みが心地良い。 後から仄かな苦味が広がってくるが、スルスルと飲めるのはやはり豆の新鮮さ所以だろうか? 一緒にオーダーしたトライフルのふんわりした甘さとまろやかさにも非常に良くマッチしていた。 トライフル 苺のトゲトゲを背中に付けた、ハリネズミみたいな可愛い可愛い“お誕生日ケーキ”のトライフル。 来た瞬間から三角形のシャープなキミの体を覆った真っ赤なトゲトゲに僕の目は釘付けだよ! ほんのり卵風味のスポンジは、仄かな甘さとふわふわの食感に優しい口溶け・・・全てが申し分無い。 そのスポンジにサンドされているのは、ぽってりとして滑らかな舌触りのふんわり甘いカスタード。 表面にたっぷりと塗られただけでなく、2段になったスポンジの間にもたっぷりと盛りつけられ、 更にそのカスタードクリームの中には例の“ハリネズミの苺ちゃん”がかくれんぼしていた。 見た目も可愛らしい爽やかな甘酸っぱい苺とカスタードの相性は・・・言うまでも無い、か・・・ ポカポカ陽気の窓際の席で、ひと口食べる毎に一足早い春の訪れを感じさせてくれるのだった。 ベーグル Niwaの魅力は目の前に広がる水辺の景色を眺めながら本格コーヒーを楽しむだけに非ず。 その証拠に控え目ながら店の入口に掲げられた看板には“Bakery & Cafe”と書かれていた。 先日僕が訪れていた時間内にも、入って直ぐのショーケースに並んだ焼き立てのパンを目当てに お年寄りから若者たちまで入れ替わりでやって来た。で、僕も勿論その美味しそうなパンを購入した。 先ず選んだのがベーグルだった。見るからに張り裂けそうなつるんとした艶やかな焼き色。 ひと口噛んでみると、その薄い皮が香ばしい風味と共に口の中で吸い付いてくるのだ。 その薄皮がパリンと弾けたかと思うと、中にはもっちりとした生地がギュッと詰まっている。 ムギュムギュとした食感は、やがて小麦の仄かな甘さに変わって、溶けてゆくのだ・・・ くるみパン まるで地球に衝突した隕石のような、はたまた噴火した直後の火山のような、 張り裂けた表面の皮の、ゴツゴツでバリバリとした食感のほど良く焦げた香ばしさ。 真っ二つにカットすると断面からは胡桃のまろやかな薫りがふんわりと漂ってくる。 表面のゴツゴツ感が嘘のように、中の生地はふんわり柔らかで口溶けも最高だ。 しかも、万遍なく散りばめられた胡桃のムギュッとした食感と香ばしさは・・・ シンプルな胡桃の丸いパンなのに、何時までも忘れられない僕のスタンダード・・・ 「サイネリア」 カフェのテーブルで僕の目の前に広がった冬晴れの空の青と大きな湖面の澄み切った青。 二つの美しい青色にすっかり魅せられた僕は是非「サ」のイニシャルでも紹介したかったのだ。 そもそも青い花って、何とも不思議な、何処かミステリアスな魅力すら感じてしまう。 じっと眺めていると段々惹き込まれて、何処までも深く入ってしまいそうな気がして・・・ 果てしなく広がる深遠な大空のブルーに、湖面に輝く澄み切った水のブルー・・・ そして、その深みに一度魅了されてしまったら後は先に進むしか・・・ そう、最後のイニシャルまでもう後戻りの出来ない今の僕みたいに・・・ #
by mary-joanna
| 2010-02-01 14:13
| 浅き夢見じ
あの木のトンネルの先では、
嘗て置いてきた大切なものに 再び出会う事が出来るだろう・・・ でも一度置いてきたものは、 決して持ち帰る事は出来ない あの木のトンネルの先からは・・・ あぁ・・・もうあれから2年が過ぎようとしているなんて・・・ “光陰矢の如し”とはよく言ったもので、本当にこの2年間はあっという間だった。 あの時は・・・そう、「ア」のイニシャルの花を紹介する頃は僕の計画も終盤に差し掛かって、 偶然を装って日光街道を北上するなんてベタなシチュエーションを演出したものだったけれど、 まさか、最後の最後であんな展開が待っていたなんて・・・今思い出してみてもビックリするよ・・・ でも、あれで良かったのかも知れない・・・あれ以上やってしまったら、僕も・・・貴方も・・・ 日光を訪れるのも、そして杉並木を通るのも2年ぶり、本当にあの時以来の事だった。 あの時は3つのコースから杉並木を上ってゆくコースを選んだって紹介していたけれど、 僕にとって日光に行くという事は、この日光街道の緑のトンネルを上る事を意味するのだ。 2年前の春にElvis Cafeを終了してから、僕はブログもカフェ巡りも辞めてしまっていた。 実はあの年の4月、僕は勤務先の学習塾の人事異動で地元の足利市を離れていたのだ。 そして今日、約2年ぶりに日光の地を訪れているのも、勿論、今こうして栃木県内にいるのも、 冬期講習と私立高校入試が一段落して遅い休暇をもらったので、地元に戻っているからだった。 それにしても・・・ まるで何処までも続いている尖塔の回廊の中を一心不乱に突き進んでいるような・・・ あるいは、おとぎ話の登場人物になって、深く暗い森の中を彷徨い続けているような・・・ 前回の時もそうだったけれど、この杉並木を通っていると不思議な気分になってくるんだ。 尤も400年の歴史あるこの日光杉並木、たったの2年で変わる訳は無いか・・・ それともう一つ・・・森林浴のような爽快感も、あの時と同じ・・・本当に気持ちが良い。 そして、果てしなく続くように思えた木のトンネルを抜けると、“街”に辿り着く。 2年前に置いてきた、“目に見えない大切なもの”が詰まった思い出の場所だ。 思い出と言えば、Kさんが惚れ込んだ旧今市の市街地に入り組んだ路地裏。 どんなに表の大通りが様変わりしても、昭和にタイムスリップしたようなこの情景は 2年やそこらご無沙汰していたからと言っても、全く変わる事なんて無いんだよね・・・ それに、建物のバックに聳えているのは日光連山・・・これも何時までも一緒なんだ・・・ この裏通りを歩いてゆくと、前に訪れた際に目印にしていた神社の参道へと辿り着く。 石畳が敷かれた参道から奥に鎮座する境内を守る正門までの風景。僕の街の神社と同じ、 これまで何百年もの間大切に守られ、この先ずっと代々受け継がれてゆく身近な歴史なんだ。 そして、確かこの参道から程なく進んだ場所にあった筈だ・・・本当に見落としそうな場所に・・・ あったよ。さっき路地裏で建物の間から見えた雪に覆われた日光の山々と同じ、 真っ白に聳える日光連山の更にその上に、誇らしげに掲げられた三つの店のロゴ。 NIKKO COFFEE・・・analog books・・・COCOLOYA!! そして、この2階建ての家屋と向かいの平屋建てに挟まれた路地と言うには あまりにも狭い、人がやっと通り抜ける程しかない隙間のような空間こそ・・・ 玉藻小路 鹿沼が“根古屋路地”ならば、此処、今市の路地裏には“玉藻小路”が伸びているんだ。 建物一つ分の、直ぐ向こう側へと届いてしまいそうな短い小路に過ぎないけれど・・・ 果たしてこの路地の先は本当に目の前に見える空間に繋がっているのかな・・・ それとも・・・何処か違う世界へと通じる秘密の入口だったりして・・・ 日光珈琲 Elvis Cafeで紹介する為に初めてこの店を訪れたのは、出来て未だ半年足らずだったが、 “あの鹿沼の饗茶庵”が日光に新店舗をオープンさせるとの事でネットの口コミやブログの レポは勿論、栃木県内の情報誌のみならず全国紙やカフェの専門誌、果てはテレビの バラエティーにまで登場する程の大きな話題になっていた、まさにその時の事だった。 当時は週末毎にこの小路に長い行列が出来てしまうくらいの賑わいぶりだったので、 それこそ綿密に計画を立て、日程を調整して、予約も入れて・・・そして、勿論・・・ ありったけの気合とワクワクドキドキ感もバッグに詰めてあの杉並木のトンネルを 越えた僕だったけれど、2年経った今でもその人気は全く衰えを見せる事は無く、 逆に現在僕が生活している地方にもその名を轟かせる程の存在になっていた。 そして勿論、あの時感じたワクワク感はこれっぽっちも色褪せていないよ!! いきなり中に入るのが照れ臭かった訳では無いが、窓から窺った店内の様子は、 漆喰の白壁から成る広々とした空間に縦横に伸びる柱や梁、格子戸の木枠など、 落ち着いた純和風建築の趣きのある姿を垣間見る事が出来て・・・懐かしいなぁ・・・ 2年前も前にたった一度、しかもほんの数時間の滞在していただけだったのに、 まるで数年ぶりに連絡無しで故郷の我が家に帰ってきたみたいな気分だった。 そう、このカフェ・・・空間全体が、そんな郷愁の薫りで包まれていたのだ・・・ 更に入口にはこんな物まで提げてあって・・・これでは本当に正月に帰省した気分だ・・・ 扉を開けて玄関に立つと正面には年代物の箪笥と、4人掛けのテーブルと・・・ ・・・このタイル張りのカウンターが僕を出迎えてくれる。 カウンターの手前まで進み、スタッフに挨拶を済ませた僕は直ぐに左右を見渡す。 日光珈琲を象徴する風景と言っても過言では無い広い店内を真ん中で分けている中央通路。 2年前に様々な雑誌で見て、実際にこの光景を目の当たりにした僕は思わずこの中央通路こそ、 この日光珈琲のもう一つの“小路”そのものではないか、と興奮気味に紹介していたけれど・・・ 今こうしてこの場所に立ってみると“小路”であるばかりでなく、頭上の柱や梁の隙間から 降り注ぐ木漏れ日のような淡い日差しは・・・さっき通ってきた杉並木と同じではないか! そう、此処にも清々しい“木のトンネル”が存在しているんだ・・・ しかも、その先の、一番奥に掛けられていた額縁には・・・ そしてもう一つ。背面に大きな棚を擁するこのカウンターキッチンも、 僕にとっての日光珈琲をイメージするのに必要不可欠な場所なのだ。 彼、Cindyが鹿沼の饗茶庵のキッチンを紹介した画像を一目見た時から、 棚の中で真っ白な皿やカップが積まれ、器やグラスが整然と並んだ光景、 今、目にしているこの光景こそ、僕にとってカフェのキッチンの姿なのだ! 更にこのカウンターの手前には、此処、日光珈琲ならではの“オブジェ”がある。 恐らく毎日休む事無くシュッシュと真っ白な湯気を噴き出している大きなヤカン・・・ あの時と変わらず今日も健在で、そしてれからも不可欠な存在になってくれるだろう。 でも、キッチンの直ぐ側で、僕は2年前とは異なった“変化”を見つけた。 格子戸越しに僕の目を捉えたのは真っ黒なボディーの大きなストーブだった。 前回訪れた後、このカフェの最初の冬を迎える際に新たに加わった仲間・・・ そう、歴史の息吹を感じさせるこのカフェは、同時に常に進化し続ける場でもあった。 このカフェには一見同じトーンに見えつつも非常に個性的な様々な寛ぎの場が存在する。 以前、昭和の高度経済を影で支えた“UFO”と称した、ヘルメット型の大きなランプの下で 過ごすのも、目の前の小路を眺めながらも側の棚に並んだ美術書をめくるのも、乙なものだ。 嘗ての遊郭を改築した、歴史情緒の雰囲気をいっぱいに湛えた純和風家屋だと、 実のところ良くは分ってはいない大正ロマンに浸りつつ視線を上に向けると・・・ 何ともゴージャスなシャンデリア・・・良い意味での和洋折衷リノベーション建築なのだ! “華の世界”への入口を潜って上の階へと向かって・・・そう、其処にあったんだよんね・・・ 2年前に僕が追い求めていた、「ア」のイニシャルの“花”は・・・ この市松模様の壁面には本当に度肝を抜かれた思いに駆られたけれど、 今改めて見直しても、あの時の強烈なインパクトは全く変わらない・・・ そして、この場所で見つけたのだけれど・・・うわぁ、懐かしいなぁ・・・ ずっと探し続けて・・・ やっと見つけ出して・・・ ようやくキミに出会えて・・・ 2年前、僕は此処で「ア」のイニシャルの花に対面する事が出来たのだった。 同じ棚の上に置かれた花瓶には例の花はおろか、一輪の花も活けられていなかった。 もう2年も前の話なのだから・・・当たり前と言えば当たり前の事なのだけれど・・・ 大切なものは、目には見えない 僕にそう教えてくれたのは他でも無い、あの木のトンネルの先にあるこの空間ではないか! 目を閉じれば今でも瞼の裏にあのほっそりとした美しい姿の「ア」の花が鮮明に映っているんだ。 心の中での再会を果たした僕が選んだのはこの席・・・うん、あの時と同じ席だ。 おや?・・・窓の外に見えるあの花は・・・ スミレ(パンジー) あぁ・・・何という巡り合わせなんだろう!! まさか、今日、この場所でこの花に出会うなんて!! ・・・Elvis Cafeの一番最後に咲いた可愛いあの子の花に・・・ 特製スープカレー 地元栃木のしかも日光という土地柄と、杉並木沿いに点在する蕎麦屋に触発されて 前回は地場産の食材をふんだんに使用したガレットをオーダーした僕だったが、 今日は鹿沼の饗茶庵の人気メニューであるこのスープカレーに決めていた。 とろみの無いサラサラした舌触りはスープと謳っている通りのものであったが、 サラリとしながらも同時に舌先に程良く絡み付いて、存在感は抜群だった。 熱々のスープは徐々に広がるピリリとした辛さと心地良い刺激に加えて、 スッキリとした酸味と仄かな甘味の絶妙なバランスが非常に味わい深く 更には様々なスパイスの風味、香り、コク等が複雑に絡み合ってくる。 このカレーのメインとなるのが、じっくり炊いた柔らかな骨付きのチキン。 皮の部分のトロリとしたゼラチン質の、クセになる食感が堪らない! 更に、直ぐ内側の肉は繊維にそってはらはらと裂けて・・・柔らかい! ふんわりとした肉質・・・ジューシーな肉汁・・・とろけるような食感・・・ じわじわと広がってゆく鶏の旨味はもう言葉に出来ない程だった。 ゴロっと入った地元栃木産の新鮮な野菜の自然な甘さと食感が、 スープカレーにじわりと染み込んで一層美味しさが引き立っていた。 カレーとの相性抜群の白米と添えられたシャキシャキで甘い葉野菜、 極めつけは、爽やかな酸味のレモン塩による未体験の新たな美味しさ・・・ 2年ぶりだとか・・・思い出の場所だとか・・・一瞬全てを忘れ、このカレーに魅了されていた・・・ 2年前の訪問の際、Kさん自らスイーツのプレートを持ってきてくれたっけ・・・ あの時は本当にビックリしたけれど、Kさんの嬉しそうな表情が脳裏に甦るよ・・・ 林檎のタルト 饗茶庵には一本の林檎の木があって、その木に生った林檎でスイーツを作ると言う・・・ そう、この日僕がオーダーした季節の果物のタルトには、その林檎が使われていた。 ホロホロと崩れるほんのりと甘いそぼろ状の表面は何処か懐かしさを感じる味だ。 土台のしっとりとした食感のタルト生地は、口の中で軽やかに消えてゆくのだ。 入れ替わるように口の中いっぱいにふわっと広がる爽やかな甘さの林檎の香り。 シャクシャクっとした歯応えと瑞々しくジューシーな林檎の果実感に加えて、 トロリと甘く煮詰められた、濃厚であり且つ、まろやかな風合いが堪らない。 カフェが所有するたった一本の林檎の木から採れた林檎で作った特別なタルト。 ひと口ひと口、目の前のスミレを眺めながらゆっくりと頬張る事にしたのだった。 眺めると言えば、僕は饗茶庵のドリンクをぼんやりと眺めているのが大好きだった。 まるでグラスに閉じ込めた宝石のようなカラフルでキラキラと輝く様を見つめて・・・ そして、今回スタッフの方に是非どうぞと勧められたドリンクも・・・ まるで初恋した時の心のときめきを表わしたような・・・ 木苺のソーダ まるでクリスタルのようにキラキラと透明に澄んだ輝きを放つグラスの中には ルビーのように真っ赤な粒選りの木苺が可愛いらしく繋がって浮かんでいた。 この非常にキュートなグラスに何時までも見つめていたい衝動に駆られて、 中々手をつける事が出来ずにウットリと眺めていたのは言うまでも無い。 グラスの底で真っ赤な木苺ジャムがキラキラ弾けるソーダの泡と混ざり合い、 とろんと滑らかな甘酸っぱさと冷たくてシュワシュワした心地良い刺激が ゆっくりゆっくり溶け合っていく・・・ひと口毎にキュンとなりそうで・・・ クリスタルのような澄んだ輝きの氷の表面に浮かんだぷるんとしたフランボーズ。 名残惜しそうに一つすくって口の中に放り込んだ瞬間口中に広がるぷるんとした 表面の感触とプチプチと弾け出す果肉のジューシーでフレッシュな甘酸っぱさ。 饗茶庵のドリンクに、何時も恋に落ちてしまいそうなんだ・・・ だから・・・きっと彼もこのカフェに来るんだろうね・・・ そして日光珈琲を後にした僕は、直ぐ向かい側の建物の、小さな扉を潜る事にした。 あれから一時も忘れる事の無かったもう一つの“大切な思い出”との再会を果たす為に・・・ COCOLOYA 先の日光珈琲の突き抜けるような広がりに比べると、其処はまるで雑然とした・・・ しかしながら心ときめく宝箱のような空間であり、そのこじんまりとした店内には、 “ジャンク”の文字でで括るには惜しい魅惑溢れる品々で埋め尽くされていた。 例えばほら、店に掲げられた明かり一つとってもご覧の通りである。 この二つが一つになるなんて・・・そして、このランプに優しく照らされた一枚の絵がある。 そう、此処は静かな情熱溢れるアーティストの素敵な感性が形となって現れる場所なのだ。 2年前に僕の目を・・・いや、“目”では無く“心”を鷲掴みにしたあの絵は既に無かった。 しかし、その絵にも負けない絵だったのだ・・・大きな木の下にぽっかりと空いた穴の先には・・・ GOING WITHIN ・・・あの木のトンネルの先では、きっとアナタが来るのを心待ちにしている人が・・・ あの日光への小旅行から約2年後のこの日、再び彼の地を訪れ、木のトンネルの先で 2年前に置き去りにしてきた“目に見えない大切なもの”との再会を果たしてきた僕は、 同じく2年ぶりに出会ったあの花瓶に花を活けようと思い、ある花を購入し帰宅した。 勿論、実際の花瓶に活ける事は出来なかったので、嘗て花を撮影していた場所に 花の鉢を置いて暫く眺めた後に、目を閉じて心の中で花瓶と重ね合わせてみた。 「アネモネ」 冒頭にも書いたけれど、僕はあの春の日を最後にブログも、更にカフェ巡りからも離れてしまった。 そして、その後Cindyとは勿論、あの半年間にElvis Cafeで知り合った例のグループの人々と コンタクトを取る事はおろか、彼等の名前をネット上で見掛ける事すら終ぞ無かったのだった。 そうして地元の栃木県から遠く離れた土地で今日まで過ごしてきた・・・いや、一度だけ・・・ そう、たったの一度だけ、それも2年前の最後の日から少し経ったあの日・・・6月半ば・・・ Christineと称する女性の日記を開いた事はあったっけ・・・本当に告白するんだなって・・・ 「analog booksの本と、本の家具展」 会期 2010年1月16日(土)~2月27日(土)←会期が延長しました! 会場 analog books 栃木県日光市今市754 玉藻小路 13:00~18:00(土曜19:00まで) 電話 090-7909-7072 休日 月曜日 主催 analog books + APARTMENT 後援 「日光森と水の会」 「All About Nikko」 先日お邪魔した際、analog booksの店長さんから上記の展示会の話を聞き、 是非とも此方の記事で紹介させて頂きたいと思いましてリンクさせてもらいました。 現在(1/27)開催中ですので、機会がある方は是非ともお立ち寄り下さいませ。 #
by mary-joanna
| 2010-01-27 02:52
| 浅き夢見じ
日々の暮らしをちょっぴり豊かにしてくれる場所があるという・・・
衣食足りて礼節を知る 素敵な衣装や美味しい食べ物と一緒なら、もっと大らかな気持ちになれるよね? 頭の片隅でそんな事を考えながら、僕はある街に向かって車を走らせていた。 普段の生活を今より少しだけ華やかにする為に・・・ お気に入りのものに囲まれた毎日を過ごす為に・・・ 変に無理して派手に着飾ったりするのではなく・・・ 緊張してずっと肩肘を張ったりするのでもない・・・ ・・・そう、日々の暮らしを大切にしたいから・・・ シンプルだけれど長く愛用したくなる、そんな日々の宝物を探しに・・・ そして、ゆったりとした気持ちで心から寛げる大好きなカフェに・・・ 1月も後半になり新年という言葉を持ち出すのも憚れる今日この頃、 唯ひたすら彼のいる場所に向かって突き進んだ忙しない毎日を、 イニシャルの花を追い求めて奔走したこの半年に渡る日々を、 少し立ち止まって・・・ペースダウンして・・・振り返って・・・ そんな僕が自分を見つめ直す為に訪れる場所と言ったら、勿論・・・ あの場所に決まっているんだ・・・Elvis Cafeなのだから・・・ 三国橋 群馬・・・栃木・・・埼玉・・・そして、茨城と、4つの県にまたがる場所・・・渡良瀬遊水地。 この三国橋を渡ると直ぐに古河の市街地へと入ってゆくが・・・この橋の向かって右手には、 視界いっぱいに谷中湖とヨシ原が広がっていてその圧倒的な景色に何時も魅入ってしまう。 橋を渡って直ぐの角を折れて大通りから外れ、古河の旧市街地へと向かって更に進むと、 道幅に比例するかのように小さいけれど味のある古びた建物が軒を連ねるようになる。 そんな昔の面影を残す情緒ある路地沿いに僕がこの街で必ず立ち寄るカフェがある。 Ocha-Nova 駅の直ぐ側にある脇道は車がやっとすれ違える程の道幅しかなかったけれど、 オリオン商店街と名付けられた細い路地には何処か懐かしい空気が漂っていた。 そんなオリオン商店街をするすると暫く進んでいくとやがて前方に見えてくるのが、 インパクトのある真っ赤なポールと爽やかなスカイブルーのスクエアーなこの建物。 僕にとって特別な存在であるこのカフェは、同時にふらりと寄れる日々のカフェなのだ。 ある時は、目的の花を求めて広大な遊水地を歩き回ってヘトヘトになったその後で、 またある時は、街の外れのケーキ屋に立ち寄るその前に、更には古河の街中の 路地裏にある雑貨屋巡りのお伴として・・・このカフェは欠かせない存在だった。 そう、毎日の生活の一部として全く気兼ねする事の無い寛ぎの場所・・・ 中に入って直ぐの、カウンターの向かい側には、さり気無く植物が飾られている。 どの鉢も生き生きとして、瑞々しいグリーンの手足をゆったり伸ばして寛いでいた。 間口に対して奥行きのあるこのカフェの、一番奥の空間が僕のお気に入りとなっていた。 これまでもそうであったように、挨拶を済ませた僕は直ぐに奥のスペースへ向かう事にした。 この前此処に訪れたのは秋の風に遊水地のヨシ原が黄金色に揺れる9月の終わり頃、 もう彼是4カ月もの歳月が過ぎ、頭を垂れていたヨシの稲穂もすっかりと枯れ切っていた。 そんな季節の移ろいは、この奥の開けたスペースでも直ぐ感じ取る事が出来た・・・だって・・・ 冬はつとめて。 雪の降りたるは言ふべきにもあらず、 霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、 火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。 オープン直後の早い時間にお邪魔した事もあり、“寒いでしょう?”と、 さり気無くストーブに火を入れてくれた。時間と共に上に乗せたやかんに 白い湯気が立ち上ってゆく・・・これぞまさに、日々の冬の情景ではないか! 更に、隣りのベンチにはもこもこっとして温かそうなブランケットも置かれていて・・・ 本当・・・“いとつきづきし”・・・だよね・・・ Ocha-Novaで僕が着く場所と言えば、決まってこの二人掛けのテーブルなんだ。 あの彼もお気に入りのテーブルだったけれど、この日は小さな先客が寛いでいた・・・ やぁ、気持ち良さそうに羽を休める小鳥さん、またキミに会う事が出来たね! キミは何時だって僕がお気に入りにしているカフェに先回りしているんだ・・・ ところで・・・キミの家って、一体何処にあるんだい? 今度キミが寝床にしている“巣”を紹介してくれないか? 何時ものあのテーブルは小鳥さんに先を越されちゃったし・・・ じゃあ、今日は前から気になっていた此方のテーブルにしようか。 えぇ~っと、メニューは何処に・・・あっ! チリンチリン・・・このテーブルにはキミが運んできてくれるんだね。 そうか、じゃあ・・・ちょうどお腹も空いてきたところだし、これにしようか! ハニーチーズトースト カリッカリにトーストされた表面の熱々でパリパリとっした香ばしい食感・・・ 豪快に両手で引き裂くと中からふんわり広がってくる仄かな甘い薫り・・・ 絹のように滑らかでしっとりふかふかな分厚い生地の優しい舌触り・・・ そして表面や生地にもマッチするモギュモギュした歯応えの耳も・・・ パンだけでも生地から耳まで最高なのに・・・ トッピングされたチーズとはちみつが表面の熱で溶け出して、 チーズのまろやかな風味とはちみつの濃厚な甘さが一緒になって とろとろ~っと温かいトーストの中に染み込んで絶妙に絡み合っていく。 更に、身体全体に沁み渡る温かい野菜スープまで付いてくるなんて・・・ 毎日食べている朝食トーストもこのカフェなら最高のごちそうになるんだ!! カフェラテ 毎回とても楽しみにしているラテアート君、今日はどんな子に会う事が出来るのかな? あぁ、そうだったね・・・年男の元気なキミが新年の挨拶に来てくれたんだね。 春までの付き合いになるかも知れないけれど、また遊びに来るからよろしくね! さて、お腹もいっぱいになったし可愛い虎クンにも会ったし、そろそろ出掛けようか? 僕の毎日を更に楽しく、そして大切に感じさせてくれる・・・日々の宝物を探しに・・・ 所々剥げ落ちているのが却って歴史の重みを感じさせる大層立派な赤煉瓦の塀。 その中には煉瓦造りの塀にも負けない重厚な漆喰の蔵が綺麗に残されている。 近くに小さな神社があり、境内に不釣り合いな程の大きな銀杏が立っていた。 先のオリオン商店街から更に細い路地に入って暫く進んだ通り沿いには、 まるで昭和の、いや、更に前の古き良き古河の街にタイムスリップしたような、 風情のある歴史の風景を垣間見る事が出来た。そして、僕が訪れる場所だって・・・ hibi 以前は理容店であった此方の建物。嘗ては街の人々の身だしなみを整えてくれるばかりか 憩いの場でもあったであろう小さな平屋は、時を経た現在も、街の人々の毎日の生活に 欠かせない衣食住の大切なモノを提供してくれる場としてこの路地沿いに佇んでいた。 ちょっぴりくすんだブルーのドアが優しく見つめているのは・・・あの大きな銀杏の木! 実際の間取り以上に感じる広々とした空間には、大きなテーブルと大きな食器棚。 其処には陶器を中心に食器類がゆったりと並べられて・・・どれも気持ち良さそうだね。 この空間でのんびりと食器を眺めていると、僕の方もゆったりとした気持ちになるんだ。 そう、このゆとりが欲しかったんだ・・・これまでずっと、追い立てられて今日まできたから・・・ 大浦裕記さん ポットに・・・カップに・・・花器まで!毎日の生活に必要なものだからこそ、お気に入りのものを使いたい。 視線を先の方に向けてみると、奥に一段高くなったスペースが広がっていた。 左端に置かれたアンティークのガラス棚が気になったので近付いてみる事にした。 棚の傍に掛けてあったのが針金で作られた此方のキューブ。シンプルな形状なのに、 何時までも眺めていたい衝動に駆られ・・・様々な事を連想するうちに無心になっていく・・・ 関昌生さんの針金細工 遠くの方に街が見えるよ・・・ まるで針金みたいにほっそりと・・・ 何だかキラキラと輝いている・・・ 遠くの方に街が見えるよ・・・ どんなに沢山歩いてみても・・・ 全然大きくならない街だ・・・ 遠くの方に見える街には・・・ たったひとつの移動手段だ・・・ 希望という名の飛行機で・・・ そう、ほっそりとして、キラキラとして・・・ この先ずっと色褪せない飛行機で飛ぶんだ・・・ 遠くの方に見える街には・・・ 奥のスペースは“衣”の空間となっており、その突き当りには帽子がディスプレイされていた。 平岡あゆみさんの帽子を被って・・・ オールドマンズテーラーのジャケットとストールで決めて・・・ warangwayanのバブーシュ履いて・・・ ・・・バスケット片手にお出掛けしよう!! 毎日のお散歩もこれならきっとウキウキするよね! 手前のスペースに戻った僕は、この店で如何しても手に入れたかったアレを探す事にした。 安藤雅信さん 氏の作り出すうっとりするような滑らかな白い器は、ずっと触れていたくなるんだ。 松徳硝子 うすはりグラス 創業大正11年、東京の下町、墨田区で誕生した電球用のガラス製造工場は、 当時のハイテク製品でもあった電球の球の製造から約90年の長い歴史を経て、 その伝統の職人技を今に伝える老舗の町工場として国内外から注目を集めていた。 そして、あのコミカルでありながらそれ以外には考えられない形状となった電球の球の、 ポコっとした薄いガラス球を吹く技術を究極に進化させたのがこの“うすはりグラス”なのだ。 そう、この下町の職人による粋な伝統の技の結晶こそ、今回僕が手に入れたかった “日々の生活”を彩る器であり、この“類い稀な日用品”と共に紹介したかった花こそ・・・ 「デージー」 ・・・“日々の花”として、毎日の生活に彩りを添えてくれる、この「デージー」なのだ! 真っ白なボンボンの中から“おひさまの目”が僕たちを見守ってくれる。 綺麗な冬の青空の下、今日も一日変わりは無いかい?って、にこやかに・・・ そんな毎日の生活をもっと楽しく、そしてもっと大切に送りたかったんだ・・・ 日々の楽しみ・・・ 日々の食卓・・・ 日々の装い・・・ 日々の花・・・ 古びた細い路地裏だけど・・・とっても小さな一軒家だけど・・・ 日々の生活を素敵に過ごすエッセンスがいっぱい詰まった可愛いお家。 古河の街に別れを告げるのが心惜しかった僕は、駅の周りの旧市街を散策する事にした。 江戸時代に宿場町として栄えた歴史を感じさせる街並みは、今なお街の随所に残されており、 通り沿いを散歩していると趣きのある古い家屋を確認する事が出来、その情景に暫し浸っていた。 更に街の奥へと路地を進むと、前方に何かの石碑が立っていたので思わず近付いてみる事にした。 日光街道・古河宿道標 へぇ・・・この道は遠く日光まで続いているのか・・・ 次のイニシャルは・・・もう「ア」の花になるんだったね・・・ そう言えば、“あの花”を活けてあるから遊びにきなよ!ってKさんも誘ってくれたっけ・・・ それならば、もう躊躇する事なんか無いじゃないか!だってこの道を真っ直ぐに進めば・・・ 次回のElvis Cafeですが、少し“時間軸”がずれた?設定になります。 ・・・勿論、「ア」のイニシャルの花は紹介しますが・・・ #
by mary-joanna
| 2010-01-20 13:32
| 今日越えて
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