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ハ.揺るぎない信念

  へぇ、君が“ミニ”Cindyかぁ・・・それにしても花を選ぶなんて・・・
  まぁ、彼の後を継ぐのは大変だろうけど、頑張れよ!!

  初めまして、“ちっちゃな”Cindyさん♪
  綺麗なお花の写真、楽しみにしています!!

  本当に“世代交代”しちゃったんだね・・・
  でも、案外本人が成りすましているだけだったりして・・・
  あっ、冗談だよ! だって写真見れば分かるから(なんて・・・)
  とにかく“二代目”だったら、気合入れた写真を期待しているよ!



“ミニ”・・・“ちっちゃな”・・・“二代目”・・・

そう、僕の・・・つまりこの“Elvis Cafe”の管理人の名前は・・・


Little Cindy


彼、即ちこの2年間カフェパンブログを綴っていた“オリジナルの”Cindyから、
“Elvis Cafe”を始める際に譲り受けたこのブログでの僕の名前だ。

勿論、そんな厚かましい事を僕がお願いする訳無いし、カフェやパン屋は好きだけど、
彼の様なブログを書くまでの興味や行動力だって持ち合わせてはいなかった。
むしろ彼が載せている写真やそれに添付された文章、またそれらの写真が
ひと繋がりになって完成される物語とでも言うのかな・・・の方に魅力を感じた。

だから、彼とのメールのやり取りの中で彼からこの申し出があった時は
当然の様に辞退したし、実はブログを始めた今でも変更しようかどうか
正直、他の事に手がつかないくらい思い悩んでもいるのだ・・・

じゃあ、何故本当に名乗ってしまったかって?
それは・・・今はまだ・・・


兎に角、ブログの経験の無い僕が彼と全く同じ名前を使用するなんて
本当に無理な話だったけど、何故かこの点に関しては彼も拘っていたのだ。
そんなメールのやり取りが数回続いた後、お互いに妥協し合う事で一致した。

それが・・・“Little”の文字を入れるというものであった。

“Small” Faces・・・“Young” Rascals・・・

60年代のUK&US音楽が好きだった僕は、彼がこの案を持ちかけた際、
少し面白そうかなとも思って思い切ってOKの返事をしたのだった。


でも、僕のブログのコメントやアクセス解析を見る度に・・・
そして、これまでの彼のブログを見直してみる度に・・・

更に追い打ちをかける様に、予定していた植物が中々見つからない不安・・・


そんな、まるでここ数日の梅雨が逆戻りした様な悶々とした日々を
送っていた僕は、思い立って彼の日記で見た“あの街”に行ってみる事にした。


あのパン屋さんであの方に会えばきっと僕のモヤモヤも・・・
そう、あの方のまるで少年の様な屈託の無い笑顔を見れば、
これまで感じてきた諸々のプレッシャーも晴れるに違いない。

彼だって落ち込んだ時にはあの方に会いに行ったじゃないか!!


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Cindyのブログでこの街を紹介する時は、決まって並木道を撮っていたっけ。
まるで何処までも続いているかの様な真っ直ぐに伸びた深緑の放射線を・・・

でも僕が撮ったのは、何の変哲も無い住宅地の路地。
あの並木道から少し入った、公園の直ぐ側の細い道。

でもこの小道だって、可愛い緑に覆われて穏やかな気持ちになってくるんだ。


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小さな公園だったが僕の興味を惹くものが二つ、ゆったりと佇んでいた。

一つは遥か太古の僕らの祖先が時の概念を形にしようとした努力と情熱の証、
もう一つも同じ材質でできていたが、此方を魅了する対象はズバリ、子供たち!!

それまでの僕はどちらも単なるコンクリートの塊として見向きもしなかったけど、
如何してだろう、花を撮る様になってからそれまで気にも留めなかった、
視界の外れに滲んでいた街の景色にワクワクしてくるんだ・・・


そんな公園の外れの、道路との生垣で思いがけず出会ったのが・・・


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今回僕が目指したパン屋さんは、この街に住んでいる人たちは勿論の事、
遠方からも多くのファンがやって来るという人気店であり、他ならぬ彼もまた、
車で数時間かかる栃木県から此処のパンの為に何度も訪れていたのだ。

だから早々に完売してしまう事も多く、お昼過ぎには店仕舞いをする日も・・・
確かに、この春の彼の日記でも午後1時過ぎには全て売り切れていた。

予め予約のtelを入れていたとは言え、早く行かなければとの焦燥に駆られ、
地元の(僕もまた)栃木県を朝の6時に出発し、8時前には既に到着していた。

元々夜型な上に昨夜に限っての残業、また寝坊できないプレッシャーもあり、
眠いというよりむしろ疲れの方がピークに達しようとした丁度その時の、
全く偶然の鮮やかな夏の“華”との出会いにそれまでの眠気まなこも
吹っ飛ぶ様な、スッキリとした気分になれたひと時だった。


このオレンジに輝く大輪の一群に夢中でシャッターを切っていた。
そして、その白くて背の高い花は咲いていた・・・僕のすぐそばで・・・


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そう言えば、肝心な事を忘れかけていたのだ!!
僕が探していたのは「ハ」ではじまる名前を持った花。

イロハの「ハ」なのだった・・・そして、僕はこの花もまたレンズに収めた。


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「ヒメジョオン」


僕はこの花をすっかりハルジオンと勘違いしていたのだ。
視界の外れで忘れられていた様に咲くあの花と・・・

だが、その事に気づくのは家に帰りパソコンの画面を眺めた後の事で、
浅はかな僕はすっかり使命を果たした気分で目的のパン屋さんに急いだのだ。


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まるで此処に来る途中に通ってきた街路樹の様なグリーンの外壁・・・
そのグリーンに良く映えるホワイトの窓枠、そして大きく開かれた木目のドア・・・
手前にはウッドデッキも備わっていて、目の前の木々や畑にも自然に調和した建物・・・


彼が愛して止まないつくばのパン屋さん、ダヴィッドさんのお店に僕もやって来たのだ。


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彼のブログや雑誌の紹介である程度はチェック済みだったとは言え、
実際にダヴィッドさんのパンを目の当たりにした時の僕の気持といったら・・・

非常に洗練されているのに何処か素朴な風合いがあって・・・
本格的なフレンチテイストを感じさせながら何故が懐かしくって・・・

はじめて出会ったパン屋さんなのに、ちっちゃな頃から慣れ親しんだ
近所のお菓子屋さんや八百屋さんの様な温かみを僕は感じていたのだ。


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あっ、「カヌレ」だ・・・よく並べて撮っていたよなぁ・・・


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  コレ、ウチの畑で採れた野菜を使ってます。

そう言ってダヴィッドさんがオススメしてくれたのは、その名も「ポタジェ」。
確かにお店の直ぐ向かい側には周りの緑に囲まれた可愛らしい畑があったっけ・・・


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店内の小さなカフェスペース・・・この風景も彼の日記でお馴染みになっていた。


いま一つはっきりしない一日ではあったが、やはり真夏の暑さは堪える。
まだ朝の早い時間であったので、僕は表のテラスで少し休憩する事にした。


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彼も座ったこのテラス席で、僕が選んだスイーツは・・・


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「マカロン」


UFOみたいな形の可愛らしいまん丸の皮(?)を頬張ると、
一瞬のサクッとした歯触りも束の間、ふんわり軽い食感は
口の中で消えていき、同時に広がってくるねっとりとした甘さ。

これこそ、ダヴィッドさんが拘ったマカロンのクリーム!!
このねっとり感に爽やかな酸味のチョコレートが絶妙のバランスで
マッチしていて、とても心地良い甘さと風合いに仕上がっていた・・・

・・・なんて彼みたいな書き方をしたけど、実はあまりの美味しさに
無心で食べていた僕は、細かく味わう暇無く完食してしまったのだった。


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此処に座っていると、同じ目線で向こうに広がる緑がとても眩しくて・・・
半袖のシャツから出た腕や首筋を優しく撫でるそよ風が気持ち良くて・・・

暫くの間このテラスでのんびり寛いでいた僕の側に、
お店の方が一段落したダヴィッドさんが声を掛けに来てくれた。


  目の前の畑、とても良いですね!


  是非、見ていって下さい。


僕の言葉に笑顔で応えてくれたダヴィッドさんのご好意に甘え、
向かいの駐車場から畑の方を見せて貰う事にした。


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まるで早春の草原にふんわりと舞い降りた季節外れの粉雪の様に、
小さな小さな白い蕾たちは仲良く寄り添って揺らめいていた。

緑の絨毯でのんびり寛ぐ可愛らしい真っ白な一団を、
隣りの畑から悠然と眺めている者たちがいた。


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この夏の間、大地にしっかりと根ざして満面の笑顔でダヴィッドさんの菜園を、
更にはお店に訪れるお客さんたちを見守ってくれる大きな向日葵たち。


彼らのキラキラと輝かんばかりの明るい表情を見ていたら、
何だかこれまでの疲れや不安、重圧がすぅ~っと消えていく気がした。

うん、もう大丈夫だよ!!
ダヴィッドさんに、マカロンに、そして君たちにいっぱい元気を貰ったから!
あと・・・本当はどんなときも僕の直ぐそばで見守っていたあの花にも・・・



つくばから戻った僕は、早速最初予定していた「ハ」で始まる植物を探した。
もう7月も中旬に差し掛かろうとしており、その植物の名前の由来にもなっていた
暦の時期はとうに過ぎていたのだが、ある有力な情報を手に入れる事ができた。

灯台下暗し・・・それは僕の直ぐ近く・・・まさに視界の外れにあったのだ!


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僕が住んでいる市の外れにある市営の公園。公園の名がついているけど、
園内には木道が張り巡らされ、さながら湿地帯を歩いているみたいだった。

僕が当初探していた「ハ」で始まる植物は、こんな感じの湿地や水際に
生息しているとの事だったのだが・・・

勿論、目当ての植物の他にも緑を彩る綺麗な花が咲いていて僕の気を惹いた。


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5枚の花弁が綺麗に開いた黄色い花がちょこんと咲いているかと思えば・・・


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奈良平安の時代から変わる事の無いその儚くも麗しい澄んだ青色は、
万葉集に詠われ、枕草子で嘆かれ、間近でこの薄青色を眺めていた僕は、
昔の人々のこの花への想いを今に伝える歴史の橋渡しに暫しウットリとしていた。


そんな素敵なプレゼントに出会いながらも木道を進んでいくと、
それはおもむろに姿を現した。いや、もう所々に群生していたのだ!!


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「ハンゲショウ」


夏至も過ぎ、これからいよいよ夏も本番、心躍る季節がやって来た。
それなのに貴方は皆に大きな期待を抱かせておいて消えてしまうなんて・・・

化粧もそこそこに慌てて彼の後を追ったけど、もう後ろ姿は見えない。
でも、彼を継ぐ夢や理想を探しさまよう道を照らしてくれるパートナーを見つけた。


そう、この白いハート型に良く似た・・・


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「クロワッサン」


フランス人のダヴィッドさんが作るパンの中で是非食べてみたかったのが、
僕がフランスのパンで真っ先に思いつく、この「クロワッサン」だった。

フランスパンじゃ無いのかって?・・・だって、彼のブログに影響されたのだから・・・
そして、彼も絶賛していたこの「クロワッサン」をひと口頬張ってみた。

“ザクザク”と“サクサク”の中間とでも表現したらよいのか、
絶妙な食感は口の中でバターのほんのり甘くミルキーな風合いと
一緒に、ハラハラと、同時にしっとりとした生地の舌触りのまま消えていく。

この非常に繊細な美味しさをずっと噛み締めていたかった僕だった。


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「有機ズッキーニのキッシュ」


円の中央と占める存在感いっぱいの焼かれたトマトと、
その周りを飾る様に配されたグリーンの夏野菜は・・・

そう言えば、彼のブログを見るまではズッキーニなんて名前だけしか
知らなかったけど、ギュッと詰まったジューシーな食感の自然な甘みは
押し寄せる様な酸味と甘みが堪らないトマトと共に、太陽や大地の下で
元気に育てられた自然の恵みを十分に感じさせて貰う事ができた。


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「ポタジェ」


あのダヴィッドさんの菜園で収穫された野菜で作られるという特製の野菜ピザ。

ズッキーニ、なす、トマトで作ったラタトゥイユの瑞々しい甘さとコクと言ったら・・・
更にこの野菜をチーズでとじて天然酵母のもちっとした生地でピザに仕上げるなんて!


ダヴィッドさんやご家族皆さんで大切に世話をし、向日葵たちも見守った、
大事な大事なまさに「菜園」・・・その驚きの美味しさに唯感動しまくりの僕だった。


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迷っていたかも知れない・・・
失くしてしまったかも知れない・・・
忘れていたのかも知れない・・・

でも、あの白い花も菜園の向日葵もハート型の葉っぱも、
7月のそよ風に揺れながら僕を励ましてくれたっけ・・・

揺るぎない信念をもって・・・


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(特に初期の頃の)バンプ・オブ・チキンのファンで、中でも「ハルジオン」は
挫けそうになったり迷ったりした時に元気を貰っている大好きな曲でした。
(カップリングの「彼女と星の椅子」もサイコ~!!)

今回、花のブログを始めるにあたって、そんな「ハルジオン」の歌詞や
世界観を是非とも紹介したかったのです♪ (あと1曲出てきます!?)

実は今から2年前のCindy日記でも、東京のカフェパンツアーで
挫けそうになった際、この「ハルジオン」がさり気無く登場しています。
そして、元気を貰う為に当時のCindyが向かったパン屋さんがありました!

残念ながら今はそのパン屋さんはありませんが、とっても明るくて
すっごく優しくて、そしてめちゃめちゃパンに愛情を注いでいらっしゃる
ダヴィッドさんからいっぱい元気を貰った“ミニ”Cindyなのでした♪ ( ・∀・)ノ
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by mary-joanna | 2009-07-31 12:19 | 色は匂へど
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