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ロ.スカボロー・フェア

遂に動き出した僕の計画。

まさか本当に実行してしまうなんて・・・
でも、もう遅いよ、もう始めてしまったのだから・・・


渡良瀬遊水地の草花を紹介する最初の日記が完成してから、
丸々三日間、僕は何度も見直し、推敲を重ね、写真のチェックもした。
(尤もUPしてすぐに数ヵ所の誤字脱字を見つける始末だったが・・・)

後は“投稿”をクリックするだけだったのだが、実はその一押しが
僕にとっては本当に勇気のいる作業だったのかも知れなかった。
中々クリックできずに酒の力を借りようと、夜中パソコンの前で
タンカレーを空けるも、実際に“投稿”したのは職場のデスクの、
休み時間の終了間際の事だった・・・


これまで自分自身のブログを持った事は全く無いばかりか
掲示板ですら殆どコメントを入れた事の無かった僕にとって、
自分で被写体を決めて撮影した写真や一語一句を考えて綴った文章を
不特定多数の人々に見てもらおうなんて、夢にも思っていなかった。

だから仕事が終わるのが待ち遠しかったし、逸る気持ちが抑え切れない
とばかりに帰宅するや否や部屋のパソコンに駆け寄り、スイッチを入れ、
デスクトップに貼り付けてある“Elvis Cafe”のアイコンをクリックした。


反応は・・・あった!!

そう、僕が考えていた以上の訪問者の数と・・・コメントまで!!


この日入っていた5件のコメントは全て僕のブログのスタートを
温かく祝福してくれる内容であり、全く見ず知らずの方々からの
励ましや応援にモニターを前に僕は思わず泣き出しそうになっていた。

でも、それは同時に大きな目に見えないプレッシャーとなって
僕の上に重く圧し掛かってくる様にも思えたのだった・・・


既に動き出した僕の計画。

もう後戻りはできないし、したくもなかった僕は、次の休日、
あの雑誌で特集されていた例の場所へと愛車を走らせた。


まだまだこれから、イロハの“ロ”なんだしね!


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鹿沼の街も此処まで上ってくると四方を緑と山々で囲まれた、
非常に穏やかでのどかな清々しい風景になってくる。

そう言えば、彼のブログにはこんな山間の景色が載る事もあったよなぁ。
前回の渡良瀬遊水地もそうだけど、まさか僕がこんな所に・・・


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視界の先になだらかな稜線を臨み、僕をぐるりと囲んだ様々な緑は、
普段コンクリートの中で生活している僕にとって、とても新鮮に感じた。

そんな中、チューダー様式邸宅の典型とも言えるハーフティンバーと煉瓦を
組み合わせた存在感のある家屋、建物にとても良く映える目の前の芝生、
さらに小道を隔てて広がる草花の園は、初めて此処に訪れた僕にとって
まるでヨーロッパや北米の庭園に迷い込んだ気分にさせてくれた。


そんな庭園に僕が此処にやって来た訳は勿論・・・


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そう、二回目である今回は“食”をテーマにしていた貴方への・・・
大袈裟だけど、僕からのオマージュにしたかったんだ!!

だから、今回はどうしてもこの場所で探したかったんだ、
単なる観賞用の植物にとどまらない、“ロ”で始まる・・・


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春から夏に季節が移り往くにつれ、草花の時期も様変わりを迎えるのかな?
花の落ちた木々の枝にはふくよかな実をつけ始めるものも見られた。

が、やはり此処は華麗な“お花畑”を謳った場所である。
全てが満開とはいかなくても、少し見渡すだけでも・・・ほらっ!!


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Let me take you down 'cause I'm going to ・・・

さぁ、一緒に瞼を閉じてごらん・・・
真っ赤に染まった綺麗な苺の園は、何時までもずっと君と僕の中に・・・

なぁ、ジョン、そうだろう・・・


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シャンと伸びた茎に四方にだらりと垂れ下がった花弁はまさにその名の通りだが、
中央で盛り上がったオレンジ色の頭花と淡いピンク色の花弁の組み合わせは
とっても可愛らしくて、威勢の良さや緊迫感は感じられない・・・

まぁ、どちらも“ハナ”である事には変わり無いのだが・・・


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先程の可愛らしいピンク色の花弁とは、同じキク科の花でも似ても似つかないが、
その容姿と色彩は鮮やかな色彩の花が咲く此方の庭園でも異彩を放っていた。

寄り添う事でしか存在感をアピールできないのだろうか?
いや、決してそんな事は無いよ、皆少し寂しがり屋なんだよね。


ところで、春先からこの季節にかけて、花の周りに決まって先客が訪れていた。


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そうそう・・・

彼は君が集めたモノの方が好きだったみたいだけど、
これからは君自身を撮らせてもらう事にするよ!

恥ずかしがらずにジッとして・・・あっ!!


まだまだ仲良くなるまでには程遠いのかな?


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The rhythm of life unties me
Brushing the hands of time away

心の目でみてごらん、
何が見つかるか分かるかい?

さぁ、心を開いて・・・

まるで機械仕掛けのおもちゃみたいに、
何時までも変わり続ける万華鏡の様に、
永遠に時を刻む時計はくるくると回り続けて・・・

この花を眺めていると、その名前とは裏腹に、
何時しかとても不思議な、タイムレスな感覚に陥って・・・


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この場所にいると本当にタイムレスな空気に包まれている様で、
でも、カラフルな情景に囲まれていて、暫し日常の事を忘れさせてくれた。

そんな非日常の世界にずっと浸っていたい僕だったが、
肝心の目的を達成すべく庭園を後にして建物の方へと向かった。


可愛らしい花々がそよ風に揺られて優しく手を振っているみたいだった。
そんな黄色い花々に見送られた僕がやって来たのが・・・


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そう、この地に到着した際に見かけた印象深いチューダー様式の邸宅。
目の前の刈り込まれた芝生が更にリアリティーと品性を増していた。

まさに、イングリッシュガーデンといった雰囲気に浸っていた。


・・・と、“それ”は突然僕の目の前に姿を現したのだ!!


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「ローズマリー」


細長く伸びる茎から生える無数の葉は小さいながらも清潔感のある
濃いグリーンを纏っていて、皆ピシッと整列している様に感じた。

この後店員さんに実演して頂いたのだが、香り豊かなこのハーブは、
茎を軽く掴んで引き抜く様に持ち上げてみると・・・

その清涼感溢れる爽やかな香りが更に引き立ってくるじゃあないか!!
こんな香りの楽しみ方、彼だって知らなかったんじゃあ無いのかなぁ?


あれっ、でもこのローズマリーには一つも花がついていないなぁ、
ほんのりと紫がかった白くて可憐な可愛い花弁の花が・・・

外の庭園で綺麗な花を沢山撮ってきた僕は、
やや拍子抜けした様に建物の中へと足を進めた。


大事な事に気付かない無邪気な僕は・・・


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建物の中も外観に全く引けを取らない、素晴らしいの一言だった!!

一番端の、角のテーブルからは木の温もりで一杯の店内と、
窓の外に広がる豊かな自然が同時に一望する事ができたのだ。


これだけでも此処までやって来た甲斐があったというものだったが、
折角だったので、どうしても食べたかったこの店ならではの品をオーダーした。


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「フレッシュハーブのサラダピザ」


このお店のメニューこそ、此処がお花の農場と称される所以なのだ。
パスタなどの本格料理からスイーツに至るまで、この庭園で採取された
フレッシュな天然ハーブを使用しているとの事だったけれど・・・

この目にも鮮やかで、非常に華やかに盛られたハーブたちと言ったら・・・
ピザを切り分けてしまうのが本当に勿体無い様な気にさえなっていたよ!!

そんな、まさに庭園をそのまま飾ったピザのトッピングの中でも
ひと際目立っていたのが金蓮花(きんれんか)という食用花だった。
店員さんは“ナスタチューム”と呼んでいたけど、緑の中央に咲いた
一輪の黄色い花は見た目だけでなく爽やかな味に関しても僕の心を捉えた。


ハーブにばかり目が行ってしまったけれど、ハーブの魅力を引き立てつつ
コクのあるとろけるチーズとトマトソース、ふんわりさっくりとした生地など、
ピザそのものとしても最高に美味しかった事を付け加えたいと思う。


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君とは表の庭園でも目が合ったよね。
本当に何時か僕も連れて行ってほしいんだ・・・


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「ハーブティー」


数種類のハーブが絶妙にブレンドされたこのお店オリジナルのハーブティーは、
食後の清涼感をもたらすばかりか、この日の長旅の疲れも完全に癒してくれた。

そして、(最初から忘れかけていたけど)仕事や諸々の事は元より、何と言っても
今現在の僕の頭の中を完全に支配し切っている“彼とElvis Cafe”にかかる
プレッシャーをも記憶の片隅に追いやってくれて、此処でのひと時であるけど、
すっかりとリフレッシュされた心の隅から清々しい気持ちになった気がした。


帰る際に入り口付のローズマリーに別れを告げようともう一度
カメラのファインダーを覗いた瞬間、先程店員さんが教えてくれた
何気無い一言が僕の頭を過ぎった・・・

  あら、ローズマリーの花はもう遅いわよ!!
  花を見るのならその時期に来なければ駄目なのよ。


そう言えば彼だって旬のスイーツやパンに拘っていたっけ・・・
それなのに、僕は安易に決めてかかっていたのかも知れない・・・


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えっ、それにしても如何してすぐにアクセスばかりかコメントまで来たかって?

それは・・・つまり・・・
そう、実はこの、僕のブログ“Elvis Cafe”は・・・


他ならぬ“彼”に紹介されたんだ・・・しかも、僕のニックネームは・・・
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by mary-joanna | 2009-07-28 01:09 | 色は匂へど
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